仁右衛門島

 房総半島・鴨川市にある島です。本土からは目と鼻の先にあり、手こぎ船で移動します。代々、平野仁右衛門さん一家のみが居住することからこの名がついたといわれています。


 東京駅から仁右衛門島のある鴨川市へは、JR特急か高速バスで移動します。どちらも1時間間隔で運行されており、所要時間は片道2時間です。JR特急は東京駅本体から600mほど離れた京葉線ホームに発着するため、東京駅に詳しくない人間は迷う可能性が高いと思います。高速バスは途中、東京湾アクアラインを経由します。


 渡船乗り場は安房鴨川駅からバスで10分、太海駅から徒歩15分程のところにあります。バスは1時間に1本しかなく、渡船のりばから500mほど離れたところまでしか行きません。駅から渡船乗り場まではタクシーでも2,000円かからない距離なので、歩くのが嫌な方はタクシーでもよいと思います。


 このあたりは観光地であると同時に漁師町でもあるようで、渡船のりば横の港では赤鯛が水揚げされていました。手漕ぎ船で島に渡ります。


 船着き場周辺と島東部は岩場となっており、景色がよいです。釣りや小魚取りに興じる親子も沢山いました。

 仁右衛門島は源頼朝や日蓮聖人らの伝説で知られる島で、当時からの史跡が数多くあります。これらはいずれも遊歩道沿いにあり、歩きながら史跡巡りを楽しめます。


 神楽岩は、日蓮聖人が島を訪れた際に旭を拝したとされる場所です。


 源頼朝かくれ穴は、1180年、戦に敗れた源頼朝が身を潜めたとされる洞窟で、その隣には正一位稲荷大明神神社があります。島の主である平野仁右衛門は、このとき源頼朝に便宜を図ったことから、後の鎌倉幕府時代に周辺一帯の漁業権を得たとされます。


 仁右衛門島は代々、平野仁右衛門の子孫のみが居住しており、主はその名を襲名するしきたりになっているそうです。現在の島主は第38代にあたるとのことです。

 散策コースには島主の屋敷も組み入れられており、1704年に建てられた屋敷や、樹齢600年といわれる大ソテツなどを間近で見学できます。


 遊歩道には全部で八つの歌碑が建立されており、有名な俳人のものも多いです。最も古い芭蕉塚は松尾芭蕉の句を刻んだものであり、1840年に建立されたそうです。

 遊歩道の最も本土寄りには、平家の時代に宮島から勧請したという蓬島弁財天祠があります。


 その先には亀岩展望所とよばれる展望台があり、対岸の太海集落を一望できます。